冷凍生地とは、パンやケーキなどの生地を冷凍保存したものです。
冷凍生地を使うことで、パン作りの技術や経験がなくても、短時間でパンを作ることができます。また、発酵の失敗や焼きムラなどのリスクも軽減されます。
そんな良いことも多い冷凍生地ですが、味はどうなのか?今後の将来性は?
今回は、冷凍生地を使っているパンは美味しいのか?今後、冷凍生地はどうなっていくのか将来性についてまとめてみます。
冷凍生地を使ったパンの味は、解凍方法や焼き方によります
自家製生地に比べると、冷凍生地を使ったパンの味は風味や食感が劣ることがあります。
冷凍生地の味が落ちる理由
冷凍保存中に乳酸菌や酵母の活動が抑制されるためです。乳酸菌や酵母は、パンの風味や食感に大きく影響を与えます。冷凍保存により、乳酸菌や酵母の活動が抑制されると、パンの風味や食感が落ちてしまうことがあります。
また、冷凍生地は、製造工程で生地が練り上げられた後、すぐに冷凍されます。そのため、生地の水分が抜けやすく、焼き上がりがパサパサしがちです。
ただし、冷凍生地でも、解凍方法や焼き方によって、風味や食感を改善することができます。
それらを改善させて、大手パン屋チェーン店は冷凍生地を使っていることが多いです。
冷凍生地を使っているパン屋チェーン店は多い
日本全国に展開する大手チェーン店では、ほとんどが冷凍生地を使用しています。
それらのチェーン店では、食パンや菓子パン、惣菜パンなど、さまざまな種類のパンに冷凍生地が使われています。
冷凍生地を使っている代表的なパン屋のチェーン店
下に、代表的なチェーン店をいくつか挙げます。
サンマルク
チョコクロ(チョコレートを包んだクロワッサン)で有名なベーカリーチェーン。カフェとしての利用も可能で、コーヒーと共に様々な種類のパンやスイーツを楽しむことができます。
メゾンカイザー
フランス発祥のベーカリーチェーン。高品質のフランスパンや様々な種類のパンが特徴で、世界中に店舗を持っています。クロワッサンやバケットが有名です。
フランス伝統の製法にこだわったパンが並びます。
日本では、ブーランジェリーエリックカイザージャポンという会社が販売をしています。2024年時点で30店舗前後構えています。社長はあんパンを発明した元祖木村屋總本店の嫡男である木村周一郎氏。
アンデルセン
デンマークのパンの伝統を引き継ぎながら、日本国内で広く展開しているベーカリー。健康的で美味しいパンを提供しています。広島本社。リトルマーメイドはグループ会社。
リトルマーメイド
タカキベーカリーが運営するパン屋チェーン店。広島本社。アンデルセンはグループ会社。
ヴィ・ド・フランス
ベーカリーカフェ文化の草分け。全国約230店。「Vie De France」は仏語で「フランスの生活」。株式会社 ヴィ・ド・フランスが運営。東京本社。
フランスの伝統的な製法を取り入れつつ、日本の味覚に合わせた商品を展開しています。
ドンク
日本発祥の老舗ベーカリーチェーン。フランスパンやドイツパンなど、ヨーロッパの伝統的なパンから、日本独自のオリジナルパンまで幅広く取り揃えています。兵庫県神戸が本社。冷凍パン生地を使用するベークオフ方式を採用している。
これらのチェーン店では、食パンや菓子パン、惣菜パンなど、さまざまな種類のパンに冷凍生地が使われています。
パン屋が冷凍生地を使う理由
日本の多くのベーカリーチェーンが使用している、冷凍パン生地を使用する方式のことをベークオフ方式と呼んでいます。
大手パンメーカーは、工場であらかじめさまざまなパン生地を冷凍状態で持っておき、それを各店舗に配送する方式を取っています。これによって業務の効率と品質の安定を図っています。
冷凍生地を使っている理由としては、以下のような点が挙げられます。
- パン作りの技術や経験がなくても、短時間でパンを作ることができる
- パンの品質を一定に保つことができる
- パンの製造コストを抑えることができる
- 全国に均一の品質のパンを提供することができる
- 店舗数の拡大やコスト削減を図ることができる
ちなみに、ホリエモンが手掛ける小麦の奴隷も、同じ冷凍生地を使う方式を採用することで、地方の小さな商圏で、個人がかんたんにパン屋をはじめられるフランチャイズビジネスをおこなっています。
ホリエモンの小麦の奴隷と冷凍生地のインタビューは下に記載されています。
一方、冷凍生地を使うデメリットとしては、以下の点が挙げられます。
冷凍生地を使うデメリット
- 自家製生地に比べて、風味や食感が劣ることがある
- 冷凍保存中に乳酸菌や酵母の活動が抑制されるため、パンの保存性が低下することがある
冷凍生地を使ったパンの味や品質は、チェーン店や商品によって異なります。実際に食べてみて、好みに合うかどうかを判断するとよいでしょう。
冷凍生地の将来性は有望
冷凍生地の将来性は非常に有望とされています。
冷凍生地は利便性にすぐれ、冷凍技術の進歩によって、冷凍生地の品質も年々向上しています。
まだまだ自家製生地に負ける部分もありますが、すべての自家製生地に負けているわけではなく、場合によっては勝っている生地もあります。
時間を節約できて、誰でも一定の品質を保つことができる冷凍生地を使った方式は、今後も増えていくことでしょう。
また冷凍生地を使ったメニューは多様性のある商品を生んでいくことができます。コスト効率もアップしますし、なにより廃棄の削減に貢献もします。
冷凍生地の将来性は、パン市場の拡大によってますます高まるでしょう。
まとめ
今回は、冷凍生地を使っているパンは美味しいのか?今後、冷凍生地はどうなっていくのか将来性についてまとめてみました。
昔はそれぞれの各店で生地からこねるパン屋が当たり前でした。そのためパン職人になるには、ある程度の熟練が必要でした。
しかし今では、冷凍技術を活かし、冷凍状態で各店に生地を届けることによって、手間と熟練したスキルの必要な生地を作成する作業を各店ではぶくことで、
誰でもパン屋を開業できるようになっています。
これら冷凍生地を使ったパン屋チェーンの技術、ビジネスモデルが今後も広がっていくのではないかと思います